僕がアイヌ問題に携わる様になったきっかけ
何故、私がアイヌ事業の問題を追及し始めたのか。それには理由がありました。先ずは今から15年前の北海道議会議員時代の僕が支援者に向けて書いた文書をご覧ください。
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『何故、私は「アイヌ政策」の質問をしたのか』2009 年 7 月 17 日(金)
僕は、道議会第2回定例会(6月16日~7月3日)において、「アイヌ政策」についての質問をしました。この僕の質問は、新聞各社やテレビ各社で連日報道されました。
しかし、報道からだけでは「何故、僕がこの質問をしたのか」という本質が見えて来ません。日頃応援を頂いている方々には、この点をしっかりと説明をしたいと思い、コラムを書くことにします。
まず、はっきりさせておきたいことは「僕は『アイヌ政策』を否定はしていない」ということです。報道だけでは、「アイヌ政策はでたらめで問題だらけだ。こんなものはやめてしまえ。」と僕が主張しているように感じたかもしれません。しかし、実は全く違うのです。今の段階においては、「個人に対しての必要最低限の支援は、国や道が行わなければならない」と、僕は考えているのです。
しかし、これは永遠に行うべきではなく、アイヌの方々にしっかりと自立をしてもらい、将来的にアイヌの方々に対する個人への支援は無くす方向で施策が展開されるべきであると考えています。つまり将来は、今のアイヌ政策を「アイヌの歴史、芸術、文化の保存に力点を置く施策」へ転換させていくべきだと考えているのです。
さて、このアイヌ政策に関しては「多くの問題が在る」と何となく気付いていたにも拘らず、今まで多くの議員が見て見ぬフリをしてきました。議員にしてみれば「面倒なことに巻き込まれたくない」という気持ちになっていたのです。僕にもその気持ちはよく解ります。しかし、僕は黙って見過ごすことが出来ませんでした。
昨年の年末、アイヌ民族が国連において先住民族として認められました。このことは、今後アイヌの方々に対する政策が、北海道だけではなく日本全国において展開されることを意味しますが、実際に多くの問題がある「道のアイヌ政策」が全国で展開をされ始めたら、更に多くの自治体において不正や混乱が生まれるのは必至なのです。
例えば、道の政策において「アイヌ人」を認定する基準はありません。アイヌ協会が認めればアイヌ人として認定されます。戸籍も何も関係ありません。そして、もしアイヌ人として認められれば、驚くほどの補助が国や道から受けられます。ここに不正や利権が生まれるのです。ちなみにアイヌ協会の羅臼支部では会員数はずっと2人でしたが、ある年度にいきなり会員数が200人以上に膨れ上がっていたという事実を見つけ、僕はこのことを議会で質問しました。
また、アイヌの方々への大学生への就学資金の貸付制度についても質問をしました。この貸付制度は名ばかりの制度で、実際にはお金を返還する必要が無い「いい加減な制度」でした。というのも、この貸付金を返還したのは989人の中で1人のみで、返還を免除した額は24億円以上にもなるのです。中には、年間約100万円を13年間もらい続けた者がいた事実も判明しました。ちなみにこの者は、通信制の大学の入学をし最終的には大学を卒業していないはずです。調査をすると、本人が大学で勉強をしていたのかも疑わしい事例が多数あり、実際に卒業していない者が多数いました。
僕がこの「大学の就学資金貸付制度」の質問をした後、多くのアイヌの方から連絡がありました。それは「そんな制度があることすら知らなかった」というもので、僕はこれらの方々の声に驚きました。そこで再調査をすると、これらの制度は一部のアイヌ協会の役員やその親戚・知人などの利用が多く、本当に大学の就学資金の貸付を必要としている方々が、この制度を利用できない仕組みになっていたのです。情報を握った一部の人たちだけがこの制度を利用していた訳です。僕の質問に関するマスコミの報道よって「アイヌ人は悪い奴らだ」と、多くの方が感じたのであれば、それは僕にとって本意ではありません。一部の不届き者のアイヌ人が道民の疑惑を招く行動をとっているのは事実ですが、大多数のアイヌの方々は全く悪くはないのです。むしろ、「大きく歪んでしまったアイヌ政策により、大多数のアイヌの方々は逆に被害を受けている」と僕は考えているのです。
かなりの時間を割き、アイヌ協会に関して調査をしましたが、調べれば調べるほど「一部のアイヌ人と一部の政治家や勢力が“アイヌ施策”を利用し、税金を搾取している」ということが解りました。このままでは「真のアイヌ施策の実現」など出来るはずは無いと考え、アイヌ施策についての問題点の質問を続けているのです。毎年数十億円という巨額の税金が投入されているのです。もっと有効に効率的に税金が使われるべきですし、一部の人だけにお金が流れる施策が存在している自体が問題なのです。
ちなみに、僕の住んでいる帯広市においては、アイヌの方々に対する「新築住宅の建設費貸付制度」で1000万円弱の焦げ付きがあるはずです。帯広市は、これはしっかり返してもらうべきだと僕は思っています。今までアイヌ政策の問題点を、行政も政治家も「見て見ぬフリ」をしてきました。そのツケが現在の大きく歪んだアイヌ政策になったのです。今後は我々議員も各自治体も、もっと毅然とした態度を取るべきだと私は考えています。
僕は、今のアイヌ政策を「本当に支援すべきアイヌの方々が喜ぶ政策」にする必要があると考えていますし、利権が生まれない政策へ再構築をする必要性を感じています。僕は「今のアイヌ政策に多くの問題があるのなら、それを正すのが政治家の使命だ」と信じて質問を続けていることを、支援してくださっている皆様に解っていただきたいのです。
これからも信念を曲げず、是々非々の姿勢で活動を続けて行くことを皆様にお誓い申し上げます。
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これがその当時の地元の十勝毎日新聞の記事です。
何故、この文書を支援者に出したというと当時から北海道議会の中では「アイヌ事業の問題を追求するのはタブー。触らぬアイヌに祟り無し。」と言われており、実際に僕の質問通告をみて数人の先輩議員が「質問はやめた方がよい。差別主義者のレッテルを貼られ今後左翼がずっと束になって攻撃してくる」と忠告を受けました。そのため質問を終えた時点で、「これから色々な攻撃や誹謗中傷があるだろうから、支援者には自分の考えを伝えておこう」と書いたものでした。実際にその攻撃は議員を辞めるまで続きましたし、この時を境に孤立無援の戦いになりました。
しかし、実はこの文書には何故アイヌ事業の不正を追求したのか本当の理由が書かれていません。
2008年の冬に、アイヌのご婦人がわざわざ道東から札幌の北海道議会まで私を訪ねて来て下さいました。そして私にこう言いました「私の相談を聞いてください。私はアイヌの墓の前で供養として仲良と一緒に踊るのが大好きだった。ところがある年に国が『アイヌの墓参りで踊る者にお金を払う』と決めました。墓参りにお金を払うとは変な話だて思いながらもお金は貰いました。しかし次の年から見たことも無い様な方が踊りにくる様になり、最後には20人しか踊っていなかったのにアイヌ支部の資料には50人が踊っていたと書いてあった。私は先祖供養に金を貰うのは変だしま50人も居なかったのに来ていない踊り手のお金はどこに行ったのか。墓の前で悪いことをしたら先祖が悲しむし失礼ではないか」という話をされ最後に「そう抗議をしたら私はアイヌ協会支部を除名されもう皆んなと踊れなくなった。」と泣き始めたのです。
僕はこの話に衝撃を受けました。1997年に北海道旧土人保護法が廃止され代わりに制定をしたアイヌ文化振興法により「アイヌ文化の保護・伝承」の為に税金が措置され始めたのは知っており、その時まで方「アイヌ文化を守る為に税金を措置する必要がある」と考えていたのですが、その考えが大きく揺らぎました。“アイヌ文化とは何か、何に金を払っているのか、杜撰に使われていないか、利権が拡大し不正の温床になっていないか、アイヌの方々のためになるのか”…余りの話に愕然としたのを今でも覚えています。
以後、僕は議会でアイヌの追及するときには必ずこのご婦人のあの泣き顔を思い出しながら厳しい質問をしていました。
多くの追及をしましたが、これはその一つ
この質問をしたことが報道されると、北海道議会に「アイヌの不正を議会で質問してくれる議員が生まるとは思っていなかった。本当にありがとうございます。これから北海道アイヌ協会を正しい方向に戻したいと思っていりが、一緒に戦って欲しい」と尋ねて来てくださったのが今はなき河野本道先生でした。
河野本道先生の書籍群
自宅にある先生の書籍の一部
その後お亡くなりになるまで僕を支え続けてくれた河野本道先生でした。先生の話はまた別の機会に。
15年ぶりに当時の自分の文書を読みましたが、当時とまったく考えが変わっていない自分がおりホッとしました。当時の自分に「確かに凄まじい攻撃はあるが、支援者は増える。最後の選挙もトップ当選するから余り心配しなさんな」と言ってあげたいです(笑)
ある日には野生のエゾシカも近寄って来ましたよ!
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